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立体考古 WEBLOG: 池谷信之さん「日本考古学協会大賞受賞」に思うこと
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2011/06/blog-post.html
先週末の日本考古学協会にて、池谷信之さんが第一回協会賞の「大賞」を受賞されたとの情報が届きました。協会のオフィシャルWEBには、まだ詳細がUPされていないようですが、こういうことは新鮮なうちのほうが良いと思いますので、私の感じたことを書きとめておきます。 この「受賞」をまとめると、以下のようになるかと思います。 5)この功績により、今回、日本考古学協会から最高の評価を受けた。 私が池谷氏に初めてお会いしたのは’90年代半ば、氏がちょうど土手上遺跡などの調査に、黒曜石産地の「全点分析」を適用し、興味深い成果が出はじめたころでした。当時まだ学部生だった私達にまで、嬉しそうにその新しい方法、成果、可能性についてお話してくれました。そしてその後もお会いするたび・・というか現在でも、次々に蓄積される新しいデータ、新しい知見を喜々として教えてくれます。 そして結果的に、氏の言葉をそのまま借りると「 石器の形態や編年をいくら突き詰めても明らかにできない世界. 12301;を私たちに見せてくれました。それも黒曜石さながらの鋭利な切り口で・・です。 Veesar Valley Project blog.
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8月 17th, 2012. 地域の残る幾多の 文化遺産 とは,将来の文化的発展のために継承されるべき過去の文化であるが,生活 産業優先の今日,なかなか顧みられることは少ない。 お祭りや芸能,古墳 遺跡 お城 街並 巨木 古戦場,物語の場面やこだわりのコレクションなどなど,多様な文化遺産を訪ね,その現場に立ち,その風景や歴史に思いを馳せることができれば素晴らしいことだ。 カードの種類や配布場所といった文化遺産カードの情報は, 文化遺産の見える街づくり事業 をめざして活動している,NPO法人古代邇波の里 文化遺産ネットワークが運営している専用ホームページにて確認できるので,ぜひ見て欲しい。 8月 19th, 2011. 三世紀の日本列島は 邪馬台国時代 に象徴されるような,多様な部族社会を中心とし,さまざまな地域社会がほぼ独自に一つの領域をもつ 國 を作り上げていたものと想定している。 総じて主墳丘30m 前方後円 方 墳では60m前後 以下の墳丘墓はこの地域原理に基づき造営されていくものと考えたい。 そしてやがて 三野 尾治 という大きな領域が生み出された時点での物語である。 8月 3rd, 2011.
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立体考古 WEBLOG: PEAKIT ~開度演算による考古資料3Dデータの表現~(前編)
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2011/07/peakit-3d.html
PEAKIT 開度演算による考古資料3Dデータの表現 (前編). 北東北も少し前に梅雨入りが宣言され、大分蒸し暑くなってきました。そんな中この2週間は、情報工学関係と考古学関係それぞれの重要な方と高いレベルのお話をする機会に恵まれ、とても良い刺激をうけました。さらにおもしろい展開に発展しそうな予感がします。 さて、今回から前後編2回に分けて「PEAKIT」と「開度」の概念についてまとめます。 考古資料の3次元表現は、いまのところ仮想陰影によるレリーフ表現を用いるのが一般的です。これは対象物の概形を直感的に理解させる特長があり、考古学に限らずとも3次元データ利活用の主舞台となる「ものづくり」の分野もふくめて最もポピュラーな表現手法です(関連記事 = "RELIEF” という表現方法とその意味. ところが 考古資料のアーカイブに焦点を絞った場合、レリーフという表現手法は必ずしも十分なものではない、と私は考えています。 開度とは地形特徴線抽出の手法のひとつです。 開度には 「地上開度」. と 「地下開度」. 図3 地下開度の概念(1). 図4 地上開度の概念(2). 地下開度の値が高い部分を白色、...
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立体考古 WEBLOG: 厳しい調査条件は 考古学に何をもたらすか?
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2012/02/blog-post.html
数日前に平野復興相が岩手県を訪れ、こう発言されたそうです。「増税までして財源を確保した。交付金制度は被災自治体の負担がゼロだからこそ、コスト意識を持ってほしい」(河北新報2012年2月20日)。 被災地の復興とは、人がそこに住み、経済の循環の中に回帰して達成しますから、人が住むための場所の確保、それにつながる動脈の整備は必須です。そしてこれに伴う工事の多くは、遺跡の調査からスタートします。この先10年は「考古学の理屈」ではなく「震災復興の理屈」でどんどんコトが進むため、おそらく私たち考古学をとりまく条件はこれまで以上に過酷なものになることが予想されます。 そこで、今日は予算や工期について著しく厳しい条件が突きつけられたとき、私達がプロのアーキビストとしてどのような選択をするのがベストか?・・石器実測を例に考えてみたいと思います。 左がこれまで通りの2次元的記録法(いわゆる手実測)で、右が3次元計測(PEAKIT)を用いた記録法です。各々がどのような作業かは既におわかりだと思います。 前半工程のコスト:後半工程のコスト=1:3. 左のフローチャートならば、上の図のように調査者が重要だと思う5...
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立体考古 WEBLOG: 震災から3年間の(かなりフワッとした)まとめ
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2014/03/blog-post.html
こんばんは。 YOKOYAMA です。 今日で大震災から丸3年ということですが、私はそれよりずっと長く感じました。まわりには逆の感覚の人も結構いるようなので、この感じ方は、人それぞれなのだと思います。 3年前の地震後数日間、ラジオからは「沿岸都市壊滅」や「原子力発電所爆発」など、にわかに信じ難い単語がどんどん流れてきており、食糧、水、電気、燃料のない状態が数日で終わるのか、何ヶ月、何年かかるのかも、よくわからない状態。 もし仮にこのまま自分が経営する小さな事務所をたたまざるを得ない、考古学も諦めるしかない状況になったとしても、そんな些細なことでジタバタするまいと冷静に覚悟を決めたのですが、そうしたら不思議なもので、これまで本当は 「やるべきなのだが、やってこなかったこと」 や、「言うべきなのだが、あえて触れてこなかったこと」が、図らずも次から次へと頭に浮かんできてしまいました。 その後の3年間、さまざまな素晴らしい研究課題にお誘い頂き、着々とそれらの成果も実りつつありますので、この方向は間違いではなかったのだろうと思います。 Veesar Valley Project blog.
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立体考古 WEBLOG: 3Dデータ化は本当に高価か?
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2014/10/d.html
ここ数日 facebook上で100コメントを超える白熱した議論が交わされていました。そのテーマは「. 真面目に石器実測図をつくる意味はあるだろうか?」です。私もすこしだけコメントしつつ、10年前ならば絶対こういう運びにはならなかっただろうな.という(良い意味で)意外な議論展開を興味深く読んでいましたが、そろそろ一段落したようです。 ただひとつ気になった点は、当初、遺物の3Dデータは高価だろうからという理由で、そもそも問題解決の選択肢から除外されてしまっていたことです。3D計測器を想像するとこういう印象になるかもしれませんが、少なくとも当ラボではある程度まとまった点数ならば、石器の3Dデータ作成単価は石器実測図作成単価の約1/4倍と、実測委託より遥かに安くなります。 この点は技術の進歩というよりも、むしろ運用面での工夫によるところが大きいと思います。比較的高額な設備投資をともなう3D化は、専門機関に集約させて、効率よく稼働させるだけで単価はストンと落ちるのです。 黒曜石の 断面図で、前モデルの問題点は見事にクリアされていました。それなりに. Veesar Valley Project blog.
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立体考古 WEBLOG: 石器の3次元化 〜ロボット「3号」真夜中のミッション〜
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2012/03/3.html
石器の3次元化 〜ロボット「3号」真夜中のミッション〜. 今日は、普段スタッフが皆なんとなく「3号」と呼んでいる3D計測機をサラッと紹介します。3号の「3」という数字は自社で開発したロボットに順番に付されたコードですから、これは1号、2号を踏まえた改良版だということになります。 ちなみに目下のところ4号まで開発が済み、現在5号に着手しています。 名前はまだありませんでしたね・・そのうち気の利いた愛称を探します。 65288;1)まず3号のガラステーブルに石器を並べます。 これは2009年11月17日 PM 5:30 の3号機の様子です。 この日は322個の石器を女性スタッフ一人が2〜3時間かけて並べました。 上から見おろすと、↓このような感じです。 65288;2)パソコンで「計測範囲」と「計測点間隔」を設定します。この場面では計測範囲104㎝×50㎝、計測点の間隔は0.1㎜ピッチと設定しました。 65288;3)計測スタートボタンを押して帰宅します。(自宅でゆっくりくつろぎます。). 陸前高田「奇跡の一本松」は、本当に一本松か? Veesar Valley Project blog.
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立体考古 WEBLOG: Roland D.G. PICZA PIX-4 〜小さなマシンから得たもの〜
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2011/03/dg-pix-4.html
Roland D.G. PICZA PIX-4 〜小さなマシンから得たもの〜. 今日は Roland D.G. PICZA PIX-4 とい三次元計測器をご紹介します。 12300;三次元計測」という響きはどこか仰々しく、とっつきにくい感がありますが、基本的なパソコン操作ができる人なら、それほど構える必要はありません・・・ということを、私はこのマシンから教わりました。 ところで、私達がはじめて遺物の三次元計測をしたのは2001年で、その目的は、地形画像処理のアルゴリズムが、石器表面の画像処理に適応できるか?を確認するためでした。無理を言って県の工業技術センターにお願いし、ModelMakerというイギリス製のアーム式レーザー3次元計測器を使わせてもらいました。 さて、以下、PIX-4 の「安さ」以外の特徴、長所短所合わせて6点です。 1)小さいこと(長所). この↑小ささです。本棚に入れても使えます。 2)わかりやすいこと(長所). 3)使いやすいこと(長所). ボディも含めてこの辺のパッケージングはローランドD.G.さんは実に上手い・・。 簡単に言うと、振動針が触れたところを対象だと認識...
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立体考古 WEBLOG: 画像処理の理論とその考古学における可能性 (後編)
http://sakuratokintaro.blogspot.com/2011/05/blog-post_30.html
画像処理の理論とその考古学における可能性 (後編). さて、今日は「画像処理の理論とその考古学における可能性 」の「後編」です。「 前編. 12301;では考古遺物の画像処理をするためにデータを変換してDEM(ディジタル標高データ:Digital Elevation Model)の状態とする、というところまでを説明しました。 画像処理は、簡単に言えば「元画像をもとに(入力)、処理を施し(演算)、新しい画像を得る(出力)」という作業です。 では、さっそく簡単なDEMのサンプルを用いて、実際に基本的な「微分フィルターを用いた横方向のエッジ検出処理」をしてみます。 右下の正方形メッシュ「E」が処理結果を格納する「出力画像」となります。 上の3×3の格子が横方向エッジ検出の「微分フィルタ」といいます。このフィルターを使ってDEMに「演算」を施し「E」に出力します。 演算方法は、「積和演算」といわれる方法です。 上図で、出力画像の緑の画素に入る値は、以下のように求められます。 0×(-1). エッジ検出の結果、ラプラシアンの結果、実測図と比べていかがでしょうか。どちらの処...参照)、...12300;記録/共有...