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【神経科学トピックス】2光子カルシウムイメージング法による運動学習中の大脳皮質運動野・第2/3層および第5a層での神経活動の観察 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/140702-03
そして、これらの細胞活動がどの程度レバーの動き情報を保持しているか 運動情報量 を定量化し、第2/3層では情報量を上げる細胞と下げる細胞の割合が20%程度とほぼ同じで、多細胞集団の持つ運動情報量は2週間、あまり変化しないことを明らかにしました 図B。 Masamizu Y., *Tanaka Y.R., Tanaka Y.H., Hira R., Ohkubo F., Kitamura K., Isomura Y., Okada T., and Matsuzaki M. (*equal contribution) Two distinct layer-specific dynamics of cortical ensembles during learning of a motor task. Nature Neuroscience, 17, 987-994, 2014. 正水 芳人 写真左 2002年、京都薬科大学薬学部卒業。 日本学術振興会特別研究員 PD を経て、2014年より基礎生物学研究所光脳回路研究部門 松崎政紀教授 助教。
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第29回塚原仲晃記念賞受賞者 池谷 裕二先生 「脳回路活動の構造解析」 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150605-02
こうした背景のなか、私たちは神経細胞の発火に伴う細胞体Ca2 上昇を蛍光映像で捉える 多ニューロンCa2 画像法 という大規模記録技術に着目しました。 光学系と撮影条件を工夫することで、映像取得をさらに高速化かつ大規模化することで、同時に数百から数千個もの神経細胞から発火活動をライブ記録することに成功しました Nature Precedings 2893.1, 2009。 神経回路のシナプス結合パターンを同定するマッピング法を確立し、同期発火の時空パターンが回路構造パターンと密接な関係を持つことを見出しました Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 107:10244-10249, 2010。 記憶に関与した海馬神経細胞をin vitroで同定することにより、興奮抑制バランスの瞬時的な崩壊が記憶再生を引き起こすことを見出しました Nature Neuroscience, 17:503-505, 2014。 樹状突起における多数のスパインから活動を同時記録し、神経回路網がミクロメートルの高精度で編まれていることを見出しました Science, 335:353-356, 2012。
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【神経科学トピックス】 “感覚”の可塑的変化に関わるコフィリン1遺伝子を介したメカニズムの発見 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150318-01
一部のひげの感覚を人工的に遮断 除毛 することにより、遮断されたひげ 遮断ひげ に対応するカラム 遮断カラム と保存されたひげ 保存ひげ に対応するカラム 保存カラム との境界で特異な現象が起こります。 コフィリン1がこの際にどの神経回路で機能しているかを調べるため、本研究では、ウイルスベクターを用いて、遮断カラムの皮質2/3層に限定した局所的な遺伝子操作 (コフィリン1の発現を ノックダウン する操作) をラットに施しました 図B。 そして、保存カラムの拡大には、保存カラム2/3層 遮断カラム2/3層間の結合におけるコフィリン1依存的な樹状突起スパインの密度増加が伴うことが分かりました 図C, D。 Cofilin1 Controls Transcolumnar Plasticity in Dendritic Spines in Adult Barrel Cortex.
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【神経科学トピックス】 カルシウムチャネルクラスター外縁放出モデル~シナプス前末端のカルシウムチャネルとシナプス小胞の局所配置 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150303-01
このような、アクティブゾーンにおいてカルシウムチャネルクラスターの外縁に小胞がドックして開口放出する カルシウムチャネルクラスター外縁放出モデル では、神経伝達物質の放出確率 強度 はクラスター内のカルシウムチャネルの個数によって、また、放出の時間経過 精度 は小胞のカルシウムチャネルクラスター外縁からの距離によって決定されます。 Nakamura Y, Harada H, Kamasawa N, Matsui K, Rothman JS, Shigemoto R, Silver RA, DiGregorio DA, Takahashi T. Nanoscale distribution of presynaptic Ca. Channels and its impact on vesicular release during development. Neuron. 2015 Jan 7;85(1):145-58. doi:10.1016/j.neuron.2014.11.019.
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【神経科学トピックス】運動学習をささえる小脳神経回路の新しい改変・維持メカニズム | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150220-02
小脳神経回路の要衝を担う登上線維 (延髄下オリーブ核細胞軸索) プルキンエ細胞間シナプス (以下、登上線維シナプス) は、中枢シナプスの刈り込み過程を理解する上で最適なモデル系として注目されています。 今回著者らは、下オリーブ核細胞に選択的に発現する新規免疫関連分子のC1q様分子1 (C1q-like protein 1; C1ql1) が、登上線維シナプスの刈り込み過程とその機能に重要な役割を果たしていることを明らかにしました (Kakegawa et al., Neuron 85: 316-329, 2015)。 また、登上線維から供給されたC1ql1は、プルキンエ細胞に存在する細胞接着型Gタンパク質共役型受容体のBAI3 (brain-specific angiogenesis inhibitor 3) に選択的に結合することも分かりました。 Anterograde c1ql1 signaling is required in order to determine and maintain a single-winner climbing fiber in the mouse cerebellum.
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【神経科学トピックス】皮膚感覚を知覚する神経回路メカニズムの解明 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150713-01
研究員 真仁田 聡 現 山梨大学医学部生理学講座第2教室 特任助教. この 戻ってくる情報 を遮断すると、マウスは つるつる と ざらざら といった肌触りを区別できなくなりました。 私たちは手でものに触ると つるつる や ざらざら といった肌触りを感じます。 A Top-Down Cortical Circuit for Accurate Sensory Perception, Satoshi Manita*, Takayuki Suzuki*, Chihiro Homma, Takashi Matsumoto, Maya Odagawa, Kazuyuki Yamada, Keisuke Ota, Chie Matsubara, Ayumu Inutsuka, Masaaki Sato, Masamichi Ohkura, Akihiro Yamanaka, Yuchio Yanagawa, Junichi Nakai, Yasunori Hayashi, Matthew E Larkum, Masanori Murayama, 2015, Neuron, 86, 5, 1304-1316.
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【神経科学トピックス】側頭葉の領域間信号による皮質層間神経回路の活性化は記憶想起の成功に寄与する | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150511-01
Top-down regulation of laminar circuit via inter-area signal for successful object memory recall in monkey temporal cortex. Takeda, M. Koyano W. K., Hirabayashi, T. Adachi, Y. and Miyashita, Y. (2015) Neuron. 86, doi:10.1016/j.neuron.2015.03.047.
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一覧(2018年以降を含む) | 神経科学学会
http://www.jnss.org/symposium
2018年7月26日 木 29日 日. 2017年7月20日 木 23日 日. 2016年7月20日 水 22日 金. 2015年7月28日 火 31日 金. 2014年9月11日 木 13日 土. 全国都市会館 日本都市センター 全共連ビル 麹町会館 東京.
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【神経科学トピックス】「代謝経路」を狙い、てんかん電気活動を抑え込む | 神経科学学会
http://www.jnss.org/150608-01
この過剰な電気活動を抑えるため、てんかん治療薬は 電気制御分子 イオンチャネル シナプス受容体 に作用し、てんかん発作を抑えます。 そして、この治療薬が効かないてんかんに、 食事療法 ケトン食療法 が有効であることが知られています。 ケトン食療法は 食事 なので、体内の エネルギー代謝 を変化させます。 つまり、 神経電気活動 と 代謝活動 を繋ぐ、未知のシグナル経路が存在するはずです。 これらの結果は、グリア細胞から神経細胞へ乳酸を運ぶ アストロサイト ニューロン乳酸経路 が、神経電気活動を制御していることを意味しています。 さらに、この乳酸経路上に存在する代謝酵素 乳酸脱水素酵素 LDH を阻害すると、神経細胞は過分極したことから、LDHの阻害によっててんかん発作を制御できる可能性が期待されました。 この 代謝酵素 を標的とする創薬は、 電気制御分子 を標的とする従来の創薬と全く概念が異なるため、画期的治療薬 (first-in-class) の誕生に繋がると期待されます。 我々が明らかにした 代謝経路 左 による 神経電気活動 てんかん発作 の制御 右.
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本年度のノーベル生理学・医学賞の解説 | 神経科学学会
http://www.jnss.org/141031-03
2014年度のノーベル生理学 医学賞は、ジョン オキーフ John O’Keefe 博士と、エドヴァルト モーザー Edvard Moser 博士、マイブリット モーザー May-Britt Moser 博士夫妻の3人に授与されることが決まりました。 そして、海馬に 場所の認識 に関わるニューロンがあるかどうか調べるため、ねずみ ラット の脳の海馬に微小電極を埋め込んで、そのねずみが四角い箱のなかを自由に動き回っているときに海馬ニューロンの活動パターンを電気的に記録して調べたのです。 彼はこのような場所依存的に発火活動するようなニューロン、つまり場所情報を記憶したり表現できたりするようなニューロンを 場所細胞 (place cells) 名付けました[2]。 タイミングがずれていく、というのをもう少し詳しく説明すると、シータ波に対して場所細胞の発火タイミングの位相 波の1サイクルの中での相対的な位置 が少しずつ前進していくというもので、オキーフ博士はこれを位相前進 Phase precession と名付けました[6]。 1] イマヌエル カント著 純粋理性批判.